削除には2つの方法があります
インターネット上の投稿を削除する方法は、大きく2つに分かれます。第1は、媒体の運営者に対して任意の削除を求める方法です。第2は、裁判所に対して削除の仮処分を申し立てる方法です。
任意の削除請求は、費用と時間の負担が小さい反面、運営者が応じなければそれ以上進みません。仮処分は、認められれば削除が実現しますが、担保金の供託と一定の期間を要します。
実務上は、まず任意の削除請求を試み、応じられない場合に仮処分に移行するという順序をとることが一般的です。
削除が認められる場合
削除が認められるためには、当該投稿によって権利が侵害されていることが必要です。主として次の権利の侵害が問題となります。
- 名誉権の侵害(社会的評価を低下させる事実の摘示)
- 名誉感情の侵害(社会通念上許される限度を超える侮辱)
- プライバシーの侵害(私生活上の事実の公表)
- 肖像権の侵害
- 営業権又は信用の侵害(法人の場合)
意見及び論評との区別
投稿が事実の摘示であるか、意見又は論評の表明であるかにより、判断の枠組みが異なります。事実の摘示については真実性及び真実と信じたことの相当性が問題となり、意見又は論評については前提事実の真実性と、人身攻撃に及ぶなど論評としての域を逸脱していないかが問題となります。
「対応が悪い」といった評価そのものは、直ちに違法とはされません。他方、具体的な事実として虚偽の内容が記載されている場合には、削除が認められやすくなります。
媒体ごとの特徴
- 匿名掲示板 運営者が国外法人である場合があり、送達等に時間を要することがあります。
- 交流サイト 運営者の定める手続に従った申告が可能ですが、判断基準は媒体により異なります。
- 地図サービスの口コミ 削除の基準が公開されており、これに該当しない場合には仮処分を検討します。
- 転職情報サイト 退職者による投稿が中心であり、体験に基づく意見と評価される場合があります。
- ブログ 運営者への請求のほか、記事の作成者に対する直接の請求も検討します。
削除の仮処分の手続
削除の仮処分は、裁判所に対して申立てを行い、審尋を経て決定が出される手続です。被保全権利(権利侵害の事実)と保全の必要性を疎明する必要があります。
認容される場合には担保金の供託を求められます。金額は事案により異なりますが、投稿の数と内容に応じて定められます。
決定が出された後、運営者が任意に削除に応じる例が多いものの、応じない場合には間接強制の申立てを検討します。
削除だけでは終わらない場合があります
削除のみを行った場合、同一の投稿者により再び書き込まれることがあります。根本的な解決のためには、発信者情報開示請求により投稿者を特定し、責任を追及することを検討する必要があります。
また、通信記録の保存期間には限りがあるため、削除と特定は並行して進めることが望ましいといえます。削除を先行させた結果、投稿の内容を証拠として確保できなくなる事態も避けなければなりません。削除の前に、画面の写しと投稿の内容を確実に保全してください。
御相談の申込み
投稿の削除については、電話又はお問い合わせフォームより承ります。電話の受付は午前9時から午後9時まで、お問い合わせフォームは24時間受け付けています。
御相談の際は、投稿の画面の写し、掲載されている頁のアドレス、投稿の日時をお知らせください。





















